私は道を歩いていた。寒かったのでうつむいていた。そうしたら「こんなところにスミレが咲いている・・・・・・」と驚かされた。
1月だと言うのに、小さなスミレが道路の端のひび割れから紫色の花を咲かせていたのだ。
しかし、どうしてこんな条件の悪い場所に生えるのか、と思っていた。
すると、調べてみると、すみれは種をありに運ばせているらしい。
ありは、すみれの種についている「エライオソーム」という小さな白いかたまりが好きである。それは種にしっかりくっついている。それで、結局ありは種ごと巣へ運んでいかなくてはならなくなる。
すみれは種を遠くに運ばせて、子孫をたくさん繁殖させたい。そのため、そんな知恵をつけたという。『置かれた場所で咲きなさい』とは 人生の生き方についてのベストセラー本のタイトルである。どこに運ばれるかわからないのに、しかし運ばれた見知らぬ土地で立派に咲くことができるすみれをみて私もがんばらなければと思った。